偽のモテ期にご注意を

自分で自分をコントロール出来ない事に苛立ちと不安を感じる。

そっとスマホを手に取り、メッセージを確認する。

― 今日は外で食べましょう。会社まで迎えに行くから待っていて ―

恵から外食の誘いだが、珍しかった。

私の体調を気遣って何時も家で食事をしていたのに、今日は外で食べようと誘われた。

『もしかして、会社の前で置鮎さんと会った時の為に来てくれるの?』

嬉しい反面、申し訳ない気持ちで一杯になる。

スマホを見つめながらそんな事を考えていると後ろから声がする。

「沢城、会議忘れて無いだろうな」

「大丈夫よ」

ここにも、自分を気遣ってくれる相手が居る。

今はカラ元気でもその内何時もの自分になれる筈。

そう言い聞かせて前を向く。

立ち上がり、資料を手に会議室に向う。
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