偽のモテ期にご注意を

「そういう事なんで」

この話は終わりだと席に戻ろうとすると、腕を掴まれた。

「松本?」

「嘘ついてるんじゃないのか?」

「はぁ?!何で嘘つかないといけないのよ」

「だって最近出来たって」

「何?最近出来たら嘘なの?」

「いや、だって急すぎるし・・」

「はぁ。そんなに私の言う事が信じられないなら、証拠を見せてあげるわ」

そう言って、鞄の中から置鮎に貰った部屋の鍵を見せる。

『貰った鍵がこんな形で役に立つなんて・・・』

まるで、印籠を見せるように松本に見せると、その鍵を奪い取りマジマジと見ている。

「言っておくけど、引越しはしてないから」

まだ疑われているような気がして、聞かれもしない事を口にする。

「コレって・・」
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