19時、海風が頬を撫ぜる丘でさよならを。
廊下を走っていく途中、教師の誰かとすれ違って呼び止められた。

「浜口さん!?ちょっと、もうすぐ出席とる――」

名前を呼ばれたような気がしたけど、もう何も聞きたくない!


私はさっき置いたばかりの自転車のスタンドを思い切り蹴り上げた。

とにかく1秒でも早く学校から離れたくて、力の限り加速する。



展望デッキのあるあの丘へ!

ううん、純の家!

丘を登らないで、通り過ぎて、岬の下道を行ったらわかるって、純が言ってた。

早く!

もっと早く!

会いたい、

会いたい。


純に、会いたい!



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