他人と何度も重ねたくちびるで、愛して
昇降口に、たどり着いた。
靴を履いて、グラウンドをみて……自主練しているかどうか、確認。
……する、はずだった。
「……いっくん……?」
靴箱のかげに隠れて、綺麗なブロンズ色の髪を巻いている女の人と抱き合い、キスを重ねている、彼。
「あたしが本命……だよね?」
「当たり前だろ。あいつなんてカモフラージュ」
「ふふ、学校って、なんかいいね」
ドキドキする。そうささやいて、彼女は彼の首筋に顔をうずめた。
ぴくりとまぶたをとじかけるいっくん。
なんで?なんで、私以外の人がふれるのを、許可するの?