いつか君を振り向かせられたなら
とりあえず静かな場所に逃げたい!




その一心で旧校舎の廊下まで走ってきた




なんであんなことになっているのか。いまだに私もよくわかっていない。




混乱する頭を抱えてただただ廊下を歩いていると




誰もいないはずの廊下なのに人影があった




そういえば・・・



「旧校舎は放課後幽霊が出るらしいのよ!」



オカルト系も好きな夢の言葉を思い出して身震いする




カツカツカツと足音が近づいてくる




どんどんとその足音が大きくなってこちらへ向かってきているのが分かった




だけど怖さで足が動かない




足音が止まりうつむいた私の視界に人影が写る




「さ、坂井?」




聞き覚えのある声にハッと顔を上げる



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