さよなら、センセイ
たたたっと制服のスカートをひるがえして綺羅が走って来た。
「綺羅、お前予備校あるだろ?」
「そんなのいーよ」
「ダメだ。俺も今日はカテキョーあっから真っ直ぐ帰るから」
綺羅がぷうっとふくれる。
「立花さん?丹下くん?どうしたの?」
2人の姿を見つけた恵が声をかける。
「顧問にいつも、部活終わりに機械室の操作をお願いしてるんです。その説明を忘れてしまって。
ほら、綺羅、急がないと予備校遅れるぞ」
「はーい。
じゃ、若月先生、さようなら。
ヒロまったねー」
綺羅がヒラヒラと手を振って駆け出していく。弾けそうなほどの若さが輝いているようだった。
そして、プールには、恵とヒロの2人きりになる。
「温水プールのヒーターを消して、照明を落として下さい。
プールの鍵は、部長の俺と、顧問の若月先生それと、体育主任の中谷先生の三人が持っています」
ヒロは、淡々と説明をする。
その声に、仕草に、存在の全てを意識してしまう。胸の鼓動は高鳴り、まともに顔が見れない。
「ヒーターの調節は機械室で操作です。こちらです」
ヒロは恵を見ようともせず、事務的に機械室に案内する。
「ここで水温、水量など、プールに関する全てを調整できます」
ヒロが機械室の扉を開けると、隅に恵の荷物を発見した。
「先生、ここで着替えたんですか?ちゃんと教職員用の更衣室もあるのに」
「場所わからなくて。
ここなら、人の出入りも無いかと思って」
恵は慌てて荷物を手にする。ヒロは小さく呆れたようにため息をついた。
「まぁ、確かにここは先生方と、俺くらいしか入らないけど。
後で、更衣室も案内します。
まずは、ここの赤いスイッチ。これを…」
ヒロが機械室の奥にある制御装置を指差す。恵はよく見えなくて体を乗り出した。
その時、濡れていた足が滑って倒れかかる。そこへヒロが腕を伸ばして支えてくれた。
「危ない!」
「綺羅、お前予備校あるだろ?」
「そんなのいーよ」
「ダメだ。俺も今日はカテキョーあっから真っ直ぐ帰るから」
綺羅がぷうっとふくれる。
「立花さん?丹下くん?どうしたの?」
2人の姿を見つけた恵が声をかける。
「顧問にいつも、部活終わりに機械室の操作をお願いしてるんです。その説明を忘れてしまって。
ほら、綺羅、急がないと予備校遅れるぞ」
「はーい。
じゃ、若月先生、さようなら。
ヒロまったねー」
綺羅がヒラヒラと手を振って駆け出していく。弾けそうなほどの若さが輝いているようだった。
そして、プールには、恵とヒロの2人きりになる。
「温水プールのヒーターを消して、照明を落として下さい。
プールの鍵は、部長の俺と、顧問の若月先生それと、体育主任の中谷先生の三人が持っています」
ヒロは、淡々と説明をする。
その声に、仕草に、存在の全てを意識してしまう。胸の鼓動は高鳴り、まともに顔が見れない。
「ヒーターの調節は機械室で操作です。こちらです」
ヒロは恵を見ようともせず、事務的に機械室に案内する。
「ここで水温、水量など、プールに関する全てを調整できます」
ヒロが機械室の扉を開けると、隅に恵の荷物を発見した。
「先生、ここで着替えたんですか?ちゃんと教職員用の更衣室もあるのに」
「場所わからなくて。
ここなら、人の出入りも無いかと思って」
恵は慌てて荷物を手にする。ヒロは小さく呆れたようにため息をついた。
「まぁ、確かにここは先生方と、俺くらいしか入らないけど。
後で、更衣室も案内します。
まずは、ここの赤いスイッチ。これを…」
ヒロが機械室の奥にある制御装置を指差す。恵はよく見えなくて体を乗り出した。
その時、濡れていた足が滑って倒れかかる。そこへヒロが腕を伸ばして支えてくれた。
「危ない!」