さよなら、センセイ
「いや、これは美味ですな。
こんなうまい日本酒は初めてですよ、若月さん」
「じゃろ?
いやぁ、わかってくれる人に飲んでもらえてうれしいのぉ。
丹下さん、どんどんやって下さい。東京じゃなかなかこんな酒は飲めんじゃろ」
父親同士、酒を仲介して盛り上がり出す。
「丹下さんは、東京でどんなお仕事を?」
「私、会社をやっているんですよ」
久典は服のポケットから名刺を取り出す。
武二は、その名刺に印刷された《アリオン》の名にヒュウっと小さく息をのんだ。
それから、そばにあるテレビに刻まれたロゴと比べる。
「アリオン…まさか、いや、うちの娘がそげな立派な会社の息子さんと…?
バカな…おぅい、恵‼︎」
武二は恵を呼び、事実を確認する。
恵は素直に認めた。
「こりゃ、たまげた。
広宗さんみてぇな立派な方と、お前、どこで知りおうたが?」
武二の問いに恵は言い淀む。父の性格からして正直に答えれば激怒することは目に見えていた。
かといって嘘をつくわけにもいかない。
「元々は、自分の家庭教師として来ていただいてました」
言葉を濁らす恵に代わり、ヒロ自身が答えた。
こんなうまい日本酒は初めてですよ、若月さん」
「じゃろ?
いやぁ、わかってくれる人に飲んでもらえてうれしいのぉ。
丹下さん、どんどんやって下さい。東京じゃなかなかこんな酒は飲めんじゃろ」
父親同士、酒を仲介して盛り上がり出す。
「丹下さんは、東京でどんなお仕事を?」
「私、会社をやっているんですよ」
久典は服のポケットから名刺を取り出す。
武二は、その名刺に印刷された《アリオン》の名にヒュウっと小さく息をのんだ。
それから、そばにあるテレビに刻まれたロゴと比べる。
「アリオン…まさか、いや、うちの娘がそげな立派な会社の息子さんと…?
バカな…おぅい、恵‼︎」
武二は恵を呼び、事実を確認する。
恵は素直に認めた。
「こりゃ、たまげた。
広宗さんみてぇな立派な方と、お前、どこで知りおうたが?」
武二の問いに恵は言い淀む。父の性格からして正直に答えれば激怒することは目に見えていた。
かといって嘘をつくわけにもいかない。
「元々は、自分の家庭教師として来ていただいてました」
言葉を濁らす恵に代わり、ヒロ自身が答えた。