ようこそ、不思議の国へ
僕が目を覚ますと、ビアンカは僕の両親に刃物を向けられていた。
「止めろっ!」
「……アリス、俺の元に帰って来い。そうすれば、この子は離してやる」
父の言葉に僕はうつむいた。ぎゅっと拳を握りしめ、静かに口を開く。
「――ヴォラーレ…」
僕が唱えると、魔法が両親に向かって飛んでいく。
ドンッ!!
という音とともに家が破壊された。皆は僕を驚いている。僕は「ふざけるな」と服に付いた埃を払いながら言った。
「僕を捨てたくせに?初めて会った僕にあんたらの家族になれって?…悪いけど、僕はあんたらを僕の両親と認めない。僕の親は、マーリンさんだけだ。ビアンカ、帰るよ」
僕がそう言うと、周りからトランプ兵が現れる。僕の両親に槍を突き出し、逃げれないようにした。
「監禁した罪で逮捕する!!」
静かな声が家に響く。1人のトランプ兵は、僕に向かって深々と頭を下げた。
「アリスさんの放った攻撃魔法のおかげで場所を特定することが出来ました。ありがとうございます」
両親はトランプ兵に連れて行かれ、ビアンカはその場で泣き崩れた。