お宿の看板娘でしたが、王妃様の毒見係はじめます。
「実はね、ロザリンド嬢に、あなたの毒見係をお願いしようと思っているんだよ」
イートン伯爵がさらりと言う。するとカイラはさっと顔を青ざめ、ロザリーをかばうように抱きしめた。
「駄目です、イートン伯爵。こんな小さな子を毒見に使うなんて。なにかあったらどうするの?」
ギュッと抱きしめられて、ロザリーは不思議な気分だ。高貴な人には毒見係なんて当然のようにつくだろうし、今までもいたはずだ。
だからそんな庇われ方をするなんて思わなかったのだ。
「落ち着いてカイラ様。もちろん、本当に食べさせはしませんよ。嗅ぎ分けで判断してもらうんです。普段嗅がないにおいのものを教えてもらえるだけでも警戒はできますからね」
「でも……」
なおもロザリーを守ろうとするカイラは、背後からの物音に、振り向いた。
ロザリーも一緒にのぞき込み、そこにいた人物に驚く。なんと、ザックが立っていたのだ。
「アイザック……? どうしたの、先ぶれも寄こさないで」
「ご無沙汰しております、母上。すみません急に来て。ケネスからの伝令に、今日ここに来るってことを先ほど教わりまして」
ザックがじろりとケネスを睨む。
「やあ、間に合ったね、ザック」
「うるさい。こういう話はもうちょっと前もって教えてくれ」
そしてつかつかとロザリーを抱きしめているカイラの傍に近づくと、膝をついて礼をした。
イートン伯爵がさらりと言う。するとカイラはさっと顔を青ざめ、ロザリーをかばうように抱きしめた。
「駄目です、イートン伯爵。こんな小さな子を毒見に使うなんて。なにかあったらどうするの?」
ギュッと抱きしめられて、ロザリーは不思議な気分だ。高貴な人には毒見係なんて当然のようにつくだろうし、今までもいたはずだ。
だからそんな庇われ方をするなんて思わなかったのだ。
「落ち着いてカイラ様。もちろん、本当に食べさせはしませんよ。嗅ぎ分けで判断してもらうんです。普段嗅がないにおいのものを教えてもらえるだけでも警戒はできますからね」
「でも……」
なおもロザリーを守ろうとするカイラは、背後からの物音に、振り向いた。
ロザリーも一緒にのぞき込み、そこにいた人物に驚く。なんと、ザックが立っていたのだ。
「アイザック……? どうしたの、先ぶれも寄こさないで」
「ご無沙汰しております、母上。すみません急に来て。ケネスからの伝令に、今日ここに来るってことを先ほど教わりまして」
ザックがじろりとケネスを睨む。
「やあ、間に合ったね、ザック」
「うるさい。こういう話はもうちょっと前もって教えてくれ」
そしてつかつかとロザリーを抱きしめているカイラの傍に近づくと、膝をついて礼をした。