嵐を呼ぶ噂の学園② 真夏に大事件大量発生中!編
8月4日。


遂にその日が来た。


「あたしが波琉とカノジョさん連れてくるから、他の人達迎えながら待ってて」


「はい、分かりました!」


園田さんとの電話を切るとすぐにお店の扉が開いた。



「ことちゃん元気?今日はお招きいただきありがとう」



そう言って入ってきたのは、赤星くんだ。


バースデーパーティーに相応しく、主役張りにお洒落してタキシードを着てきた。


180センチの高身長には良く似合う。


わたしは思わず見入ってしまった。



「ことちゃん、なんでぽっかーんとしてるの?準備やんなきゃでしょ?俺、手伝うよ」


「あっ、はい!失礼しました」


「まあ、ほんとはやりたくないけどね」



ぎゃびーん。


しまった...。


赤星くんは青柳くんのことあんまり良く思ってなかったんだ。


すっかり忘れていた。


でも、赤星くんだって青柳くんだって男一人になるより気まずくなくて良いよね?


男っていっても、わたしのお父さんくらいしか他にいないし。


そのお父さんでさえ、中年おやじだもん、若者の話し相手になれない。


2人が今回のパーティーをきに、仲良くなってくれるといいな。



「あのさ、ことちゃん」


「はい、何でしょう?」


「ことちゃんのお父さんってこの奥?今日お世話になるから挨拶しないと」



さすが会長様です。


礼儀正しい姿勢、わたしもちゃんと真似しないと。



「父は裏で調理してます。レジスター脇を通って行けばいると思います」


「ありがと、ことちゃん」



赤星くんの大きな掌がわたしの頭にぽんと乗った。


これぞ、正に少女マンガ...。


ずぎゅーん。


少女マンガを詳しく知らないけど、ものすごく貴重なシチュエーションということは分かる。



「お邪魔しております。湖杜さんの友人の赤星昴と申します。これ、良ければあとで召し上がって下さい」



わたしがハートを撃ち抜かれ、しばし混乱している間に、赤星くんはまるで結婚の承諾を得にやって来ました、とでもいうような挨拶を終え、お父さんの隣に立って料理を手伝い始めた。



「いやいや、助かるわ!湖杜、ああ見えて人使い荒くてなあ。俺一人に全部作らせようとしてたんだぜ!信じられないだろう?!」



わたしの悪口を大声でぶちまけているが、ひとまず無視だ。


あとでしばいてやる、にっしっし...。


なんて、思ってませんから。


わたしは真面目にテーブルのセッティングやグラスや皿、フォークの準備をした。


家の手伝いで毎日やっているから慣れっ子だ。


さあ、待ってて下さい。


青柳くん、あなたのバースデーパーティーが始まりますよ。
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