嵐を呼ぶ噂の学園② 真夏に大事件大量発生中!編
「もしもし園田さんですか。今どの辺りまで来ましたか」


「えっとねー、田中さん家と遠藤さん家を通過したとこ」


「それならもうすぐです。あと5分ほど真っ直ぐ進んで頂ければ、真っ正面に見えてきます」


「分かった!じゃ、準備よろしく」


「はい!では後ほど」



そう言って電話を切ろうとしたらスマホの向こうから青柳くんの声が聞こえてきた。



「何こそこそやってんだよ!ってか、オレを誘拐してどこ連れてくつもりだ?!」


「まあまあ波琉くん、落ち着いて。波琉くんの友達がなんか色々やってくれるみたいだから」


その通りです。


カノジョさんの言うこと聞いて黙ってついてきて下さいね。



「赤星くん、畠山さん。あと少しで到着するそうなので例のぶつ、よろしくお願いします」


「ってか、なんであたしまで...」


「青柳くんの幼なじみさんなんですから、ちゃんとお祝いしてあげましょうよ」


「いくら幼なじみとはいえ、数週間前にフラれた身なんだけど。あんたといい、波琉といい、なんでこう...あたしの周りはあたしの心を乱すヤツばっかなの」


「朱比香、愚痴はあとでゆっくり聞くから、今は心から大好きだった青柳くんの誕生日を祝おう」


...もしかして、


いや、そのもしかして、だよ。


きっと青柳くんが傷付けた相手は、畠山さんだ。


赤星くん、畠山さん、青柳くん。


因縁の対決?


わたし、修羅場というものを作り出しちゃった?


ずっぎょ...。



「ことちゃん、主役が来たみたいだよ」


赤星くんの言葉でわたしは我に返った。


なんとかこの修羅場とやらを上手く乗りきろう!


やるしかないんだから。



「では、園田さんが青柳くんのアイマスクを取ったらやっちゃって下さい!」



園田さんがわたしに手を振る。


カノジョさんが笑いかけてくる。


2人の手を握って恐る恐る歩いてくる青柳くんの姿が見える。


わたしは例のぶつを2人に手渡し、ポジションに着いた。



「おい、湖杜!俺、上で休んでるからな。あとは若者ではしゃぎまくれ!あばよ!」



昨日まで「俺も若者に混ざって盛り上がっちゃおうかな~」なんて言ってたくせに、退散ですか?


わたしは疲れはててフラフラになった父を見送り、前を向いた。


ガラスの扉の向こうに3人は無事到着した。


園田さんが扉を開け、青柳くんとカノジョさんを中に入れた。


次の瞬間...。



「ったく、邪魔なんだよ!」


園田さんが取る前に青柳くんはアイマスクを取ってしまった。


予想外のハプニングに困惑していると、赤星くんがいった。


「せ~の!」


「ハッピーバースデー!」


バンバン!


バン!


パーン!



クラッカーを鳴らし、青柳くんのバースデーパーティーが始まった。
< 143 / 187 >

この作品をシェア

pagetop