Love-ing(アイエヌジー)
そう。確かに、私の痣は、生まれつきのもの。
お母さんやお父さんのせいで、できたものではない(はず)。
でも、お母さんには、「負い目」みたいなものがあった。「弥亜がこんな姿で生まれたのは、自分(お母さん)のせいだ」みたいな、負い目が。
でもそれは、いつの間にか「被害者意識」に変わっていた。
「私(お母さん)だって傷ついている被害者なのよ」という気持ちに、変わっていた。

私は少し、俯き加減になりながら、痣を隠すために垂らしている前髪に、軽く触れた。

・・・もうお母さんの「都合」ばかり優先させて、自分がやろうと決めたことを、あきらめたくない!
そのとき私の心の奥から、強く湧き出た想いだった。
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