破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします

「エヴァンさんも一緒にどうですか? 私の作ったものですけど……」

「俺の為に作っただと!?」


そんなことはひと言も口にしていないのだが、エヴァンの脳内ではそのように変換されたようでひとりで照れている。

ザックはまた始まったと言わんばかりの表情で溜め息を吐き、ノアも呆れるような視線で眉を寄せた。


「なんなのこの人。頭沸いてるの?」

「だから放置してきたんだ」


ノアの吐いた毒に真実を吐露したザック。

とりあえずゆっくりと食事ができそうなスペースを探そうと、一行は洞窟を戻り始め、その道中、ザックは説明する。

実はザックは王都を出る際、護衛としてエヴァンを連れていた。

これはザックが望んだわけではなく、道中何かあっては困るだろうと第一王子のアーサーが心配したからだ。

アーサー王子はエヴァンの腕を買っている。

そして、なんだかんだ言いながらもザックがエヴァンとは仲がいいのを知っており、気兼ねなく付き合えるだろうとの人選だった。

だがしかし、エヴァンは騒がしい。

喜怒哀楽が豊かで、しかし人の話をしっかり聞かないことが多く勘違いしやすい性格だ。

加えて声が大きい。

それでも出発から暫くは我慢していたのだが、ことあるごとに『王子がこんなものを』『もう少し王子として』と口うるさいので、最初の宿屋に宿泊した際、いびきをかいて寝ていたエヴァンを置いてきたのだ。

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