破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします
二階へ上がり部屋の扉を開けると、入浴を終えたノアが髪を乾かしながらベッドに腰かけている。


「アーシェ、おかえりなさーい」

「ただいま、ノアちゃん」


ちらりと自分のベッドを見ると、夕食時にビスケットをあげたシーゾーが満足そうな顔で寝ていた。


「必要なものを取りに行くって言ってたけど遅かったね。何だったの?」

「うん、ちょっと待ってね。今用意するから」


不思議そうに瞬きを繰り返すノアに見守られながら、アーシェリアスは丸いテーブルの上に籠から取り出したグラスを三つ置いて、ミキサーに入っているグリーンスムージーを注ぐ。

そして、ストローを差し入れてハイビスカスを飾るとノアへと手渡した。


「疲労回復グリーンスムージーだよ」

「疲労、回復? すむーじぃー?」

「野菜と果物を使った飲み物だよ。カプロスのことがあって大変だったのに、そのまま一緒に旅に出たでしょ? 明日起きた時、少しでも元気になってもらえたらと思って」

「ボクのために作ってくれたの?」


訊ねられて微笑んで二回頷くと、ノアは手元のスムージーを両手で持ちながら瞳をウルウルさせる。

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