皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
したがって身を焦がすような恋なんてできない。
後宮にいるのは、女か大切なものを切り落とし男の機能を失った、妃賓の身の回りの世話をする宦官しかいないのだから。
しかも、女の世界は恐ろしいと聞く。
皇帝の男児を身ごもれば将来の皇帝の母となれるのだから、その権力争いがすさまじいらしく、帝の寵愛を得られそうな女官が不審死したり、生まれたばかりの赤子が死ぬなんていうこともよくあるんだとか。
私には関係ない話ではあるけれど、そんな噂を聞くたびに、たとえ衣食住を保障されたとしても後宮には絶対に行きたくないと思った。
「私にはこの野菜たちがいればいいわ」
両親もいなくなり寂しくないと言ったら嘘になる。
しかし、超さんのおかげで身を立てる術を手にすることができたので、将来にわたりひっそりとこの地で暮らしていければいい。
あっ、欲を言えば素敵な男性と恋を……なんて微かな希望は捨ててはいないけれど。