皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
「あっ、えーっと……」
なんと説明したらいいのだろう。離宮の話はしてはいけないようだし。
「初めまして。私たちは麗華さんの料理の腕を聞きつけて、近くの街から参ったものです。彼女に私たちの主の料理番を務めていただきたいとお願いに上がった次第でして」
主というのは劉伶さまのことか。
主というより仲間という感じではあったが、たしかに最も貴顕紳士であるように感じたのは認める。
「なんと。麗華、すごいじゃないか。麗華は本当にいい子でして。両親を亡くしてからもひたすら頑張ってきた。料理の腕も一流です。どうかよしなに」
超さんが私のために頭を下げるのを見て、目頭が熱くなる。
両親を亡くしてから迷惑をかけたのに。
露命を繋ぐことができたのは、近間の人たちのおかげだ。
「麗華さんの料理は私たちも楽しみです」
博文さんは目を弓なりにして微笑み、玄峰さんは「はい」とぶっきらぼうに小さく頭を下げた。