皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
博文さんはすこぶる気がつく人だ。

私が顔をこわばらせているのを見て、「他には劉伶さましかいませんのでご安心を」と付け添えた。


「あのっ、劉伶さまはおふたりの主でいらっしゃるんですか?」

「劉伶さまは私たちより位が上です。ですが、よそよそしくされるのを嫌うので私たちもそうしています。普通に接していただいて結構です」


よかった。高貴な人の前でどうしたらいいのかと心配していたからだ。

皇帝が後宮に下られるときは、女官は常に顔を伏せ、皇帝の顔を拝見することも敵わないと聞いたたことがある。

もしかして劉伶さまがそれに近い存在だったら……と心配だったが、昨日普通に歩いていたし多分違うのだろう。

前に博文さん、そしてうしろに玄峰さん。
三人縦に並んで廊下を進む。

そしてとある大きな扉の前で、博文さんに足が止まった。


「まずは劉伶さまの加減を診ていただきたい」

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