皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
「そうだな。しばらくはゆっくりしよう。体を整えないと。でも麗華さんに水毒って言われて驚いたよ。毒を盛られたことに気づかれたと思った」
「えっ!」
しまった。劉伶さまの発言があまりに衝撃で、声を出してしまった。
するとすぐに扉が開き、玄峰さんが私をにらむ。
「す、すみません。立ち聞きするつもりは……。お料理ができたのでどうすればいいのかと」
なにかわけがあって離宮に滞在しているのは承知済みだが、毒を盛るとか盛られるとか、そんな強烈な言葉が出てくるとは思わなかった。
「玄峰、運んで。麗華さん、ちょっとこっちへ」
劉伶さまの表情は柔らかいが、私は焦燥感に駆られていた。
聞いてはいないことだったのならば、殺される?
「……はい」
私が戸惑う間に、玄峰さんは厨房のほうへと歩いて行く。
「ごめん。玄峰の顔だけじゃなくて、怖がらせてばかりだね」
私の足がすくんでいることに気がついた劉伶さまは、自分が立ち上がって歩み寄ってきた。