皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
「でも、少しやられてしまってね。それでそれから調子が悪くて、静養に来たんだよ」
彼はよどむことなく話し終わると、一瞬博文さんと目を合わせた。
それになんの意味があるのかわからなかったが、玄峰さんが食事を持ってきたので話が途切れた。
「麗華さん、三人分しかないが?」
「はい。私はもう帰ろうかと」
玄峰さんにそう答えると、劉伶さまが小さく首を振る。
「麗華さんも食べるんだよ。まさか、作らせて追い出すなんてありえない」
そうだったの?
でもこれは、博文さんが出したお金で買ったものだ。
「私には贅沢ですから。冷めないうちに――」
「玄峰、もう一人分持ってくるときに、麗華さんの分の器を持ってきて」
私の発言を遮る劉伶さまは、「早く」と急かす。
「でも……」
「俺、その事件があってから食事をとるのが苦痛になってね。食欲もわかないし、信頼できる博文か玄峰の作った物しか口にできなくなった。ところがまずくて」