皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
「そんな必要はないよ。そうしたことが嫌でここに来たんだし、麗華さんは俺を殺めてもなんの得もないじゃないか」
「それはそうですが……」
得、か……。この三人、お金はたくさん持っていそうだし、三人とも殺めてそれを手に入れたいと思う可能性だってある。
「でもやはり、毒見します」
もう一度伝えて匙を手に取ると、劉伶さまが悲しげに首を振る。
「麗華さんを信頼したいんだ。もう誰かを疑ってばかりの生活は嫌なんだよ」
凛々しい眉がゆがめて小さな溜息を落とす劉伶さまを見て、心が痛い。
「面倒な奴らだな。俺が先に食う」
すると突然口を挟んだ玄峰さんが、ためらいもなく粥を口に運んだ。
「おっ? これ、普通の粥ではないな。味がしっかりとついている」
「鶏を炊いた湯で作ったんです」
と説明している間に、劉伶さまも博文さんも料理に手をつけてしまった。
結局、毒見をすると言った私が最後だ。