皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
「これはなに?」
「それはうどです。少し苦みもありますが、血の流れを促したり解毒作用が強い野菜です」
まさか毒を盛られているとは知らなかったものの、丁度よかったのかもしれない。
「この羹もうまい。海老の団子がなかなか」
博文さんも目を細めている。
これほど褒められたことがないので、胸の奥がもぞもぞする。
それから三人はすさまじい勢いですべて食べつくした。
足りなかったかしら。
「はぁ、満足。こんなにうまい飯を食ったのは久々だよ」
劉伶さまがお腹を押さえて至福の表情を見せる。
どう見ても料理とは無縁そうな男たち三人の作った“まずい”という食事ばかりしてきたのだから、それに比べたらおいしかったのだろう。
「これで水毒ってのがよくなっていくんだったら、なんの苦労もないね。よくなったあと、麗華さんの他の料理も食べたいし」
優しく微笑み私の目を見つめる劉伶さまは、そんなふうに言う。
「麗華さん、これからもお願いします。この味を知ったらまずい食事には戻れない」