皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
今晩も足りなかったように見えたし、もっと肉や魚を食べたいのではないだろうか。
この筋肉隆々の体を保つにはそれなりの源がいる。
「お、俺はいい。劉伶さまの好きな物を頼む」
やっぱり優しい人たちだ。
玄峰さんも博文さんも。そして劉伶さまも。
心なしか頬が紅色に染まった彼は踵を返して歩き始めた。
そして着いたのは、劉伶さまの部屋にほど近いとてもきれいな一室だった。
「ずっと使われていなかったから、風通しだけはしておいた。寝台も寝具も新しい。使ってくれ」
「ありがとうございます」
「この離宮には門はひとつだけ。あとは高い塀に囲まれていて、なおかつ裏は断崖絶壁だ。簡単に人は侵入できない。だから安心して眠れ。博文は劉伶さまの隣の部屋。俺は一番門に近い部屋だ。なにかあれば尋ねて」
私は門から遠くの房にしてもらえたようだ。
心配ないと言いつつも、有事に備えてなのだろう。