皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~

「ですが、私は医者ではないので……」


体調の不調に効きそうな食材で料理ができるだけであって、病の原因なんてわからない。


「承知しています。でも私たちにはお手上げなのです。劉伶さまは弱音を吐くのが嫌いなので、翌朝はなんでもない顔をしています。ですが、見ているこちらがつらい。藁にも縋りたいのです」
「わかりました」


できることがあるならやってみよう。

毒のせいなのかもしれないが、夜だけうなされるというのは違う気もする。

劉伶さまの部屋の前に到着すると、たしかに唸り声がした。


「どうぞ」


博文さんが扉を開けたので早速足を踏み入れ、寝台に近づく。
すると劉伶さまは、額にびっしょり汗をかいて苦悶の表情を浮かべていた。


「汗がすごい。ですが発汗は毒を排出する効果もありますので、必ずしも悪いわけではありません」


衾をはだけた彼は、薄い夜着が乱れて胸元が見え隠れしている。
そこから武官の姿を垣間見るような筋肉が露出していた。

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