皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~

そこへ博文さんが水の入った壺と布を持ってきた。
私は布を水に浸して絞り、劉伶さまの額の汗を拭った。


「劉伶さま、皆ここにいますよ。なにも心配いりません」


そう語りかけると、彼の瞼が微かに動く。
聞こえている?
私はもう一度語りかけることにした。


「安心してお眠りください。あなたのことは皆で守ります」


今度はそう言いながら彼の手を握る。

自分から触れるなんて普通なら羞恥心に駆られてとてもできない。
でも今は、彼を楽にしたい一心だった。

人肌の温もりが心を癒すと信じて。昔、母の手を握って眠っていたことを思い出したのだ。

するとそれが奏功したのか、唸り声が消え、昼間の温容を取り戻した。


「落ち着かれたようですね。ゆり根を準備しようかと思いましたが、起こすのは忍びありません。このまま眠っていただきましょう」


もう一度額の汗を拭いながらふたりに伝える。

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