皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
「そうですね。それでは麗華さんは房へ」
「このままここにいてはいけませんか? また苦しみだしたらなだめて差し上げたい」
私の申し出にふたりは顔を見合わせている。
しばらく視線に言葉をのせているようだったが、博文さんが口を開いた。
「承知しました。しかし今晩は花冷えします。麗華さんまでも体調を崩さないようにしてください。玄峰、衾をお持ちして」
「おぉ」
玄峰さんが出ていくと「私もここで見守ります」と博文さんが言う。
「いえ、もし信用していただけるなら私だけで十分です。家族の誰かが病に倒れたときは、交代で看病するのがいいんですよ。そうでないと全員が疲弊して結局病人のためにもなりません。明日、昼間はおふたりがお見守りください」
今までそうした家族を数多見てきた。
治癒まで長くかかる病であればあるほど、役割は分担したほうがいい。
「そう、ですか。それならばそういたしましょう。なにかあれば隣の房をお尋ねください」