皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
夕刻になると、今度は博文さんが迎えに来た。
どうやら玄峰さんは出かけているらしい。


「それはなんです?」
「今日収穫した野菜です。筍も見つけたんですよ」


少し探したものの見つけることができた。


「おぉ、あの歯ごたえが好きです。そんなものは私たちでは調理できないから、うれしい」


博文さんが昨日より警戒のない表情に見えるのは当て推量だろうか。

離宮に着くと、劉伶さまが出迎えてくれた。


「麗華、待ってたよ。久しぶりだね」
「朝ぶりですよ」


噴き出してしまったが、それほど私の到着を待ち望んでいたんだと思うと、頬が上気する。
また三人を料理で悦喜させたい。


「劉伶さまは調子がよくて、今日は昼間に眠りこくることもありませんでした」


なるほど。
夜眠れない分、昼に睡眠を確保していたんだ。


「舌出してください」


いきなりだけどそう伝えると、素直に出してくれた。


「また歯痕が残っていますね。でも食事を楽しみながら少しずつよくなるといいですね」
「うん」
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