皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
「今日はゆり根が炊き込みご飯に入っています。不眠に効きますので食べてくださいね」
「ありがとう。でも、ゆり根より麗華の手がいいな」
それは握っていろと言っているの?
「いえっ、それは……」
「麗華が握っていてくれれば、今晩もうなされずに済むような気がするんだ」
「それでは俺が握りましょう」
そのとき、丁度玄峰さんが入ってきて、そんなことを言いだす。
「かえって悪夢を見そうだ」
心なしか肩を落とす劉伶さまは、不貞腐れた顔。
この三人は私に比べたらずっと大人だと思っていたのに、意外と無邪気な表情も見せる。
それが親しみやすく感じる所以なのかもしれない。
すぐに博文さんも残りの料理を持ってきた。
「劉伶さま、ここに皺が寄っていますが?」
彼は目ざとい。劉伶さまの不機嫌に気づき、自分の眉間を指さしている。
「今宵も麗華に手を握っていてほしいと頼んだら、玄峰が握ると言うからだ」
「あっはは。それは妙案だ」
「博文まで!」