皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~

半分くらい食べ進んだところで、ようやく博文さんが口を開いた。


「それで今晩ですが、本気で玄峰に手を握らせましょう」
「は? それは勘弁してくれ」


劉伶さまが箸を落としかけて顰蹙(ひんしゅく)している。


「ですが、麗華さんは昨晩もまともに眠っていません。劉伶さまの睡眠も大切ですが、麗華さんの健康を損ねては、料理を作ってもらえなくなります」
「それは困る」


即答する劉伶さまだけど、明らかに失意の表情を浮かべる。


「私、頑張ります」

「なりません。麗華さんが皆で交代しなければ全員が倒れるとおっしゃったではありませんか。その通りだと思ったので、私たちは部屋に戻ったんです」


博文さんが声を大にすると、劉伶さまが申し訳なさそうに口を開く。


「皆、ごめん。ひとりで大丈夫だから眠ってほしい」


大丈夫なわけがない。あんなに苦しんでいたのに。
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