皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
劉伶さまがそう言うと、あとのふたりは完全に食べるのをやめ黙り込んだ。
「隣で眠るか……」
ボソリと博文さんがつぶやく。
その発言に劉伶さまは吃驚(きっきょう)し、私は呆然とした。
「いや、流石によくないな」
すぐさま否定した博文さんに、劉伶さまが首を振る。
「秘策中の秘策だ」
「劉伶さまがもっと信頼できる男ならば秘策でしたが」
博文さんは呆れ声で言い放ち、肩をすくめた。
「信頼しろ! 麗華の手にしか触れない」
「それはどうだか。やはり俺にしよう」
今度は玄峰さんが口を挟むので、おかしくて噴き出してしまった。
「それでは、万が一の時は、もう二度と食事を作らないということでいかがでしょう」
私は口を挟んだ。
劉伶さまがあまりに真剣で、そして眠れないことが気の毒で、折衷案を出したつもりだったが、よく考えれば眉目秀麗な男性と閨を共にするなんて大胆だと後悔した。
「決まったな」
しかし劉伶さまがパンと膝を叩き喜んでいるので、撤回できない。