皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
「劉伶さま、頼みますよ。この食事が食べられないとなると……あの地獄が待っているんです。わかっていますね」
博文さんが思いきり顔をしかめている。
『地獄』というほど食生活がひどかったのだろうか。
まあ、料理に心得のない男性が作った物だからなんとなく想像はできるけれど。
「もちろんだ。玄峰、ここに寝台を運んでくれ」
「わかりました。でも、なにかしでかしたら、劉伶さまを許さない」
この中で一番大食いの玄峰さんの鋭い視線が、劉伶さまを一刺ししている。
「わ、わかったよ。玄峰に殺されかねないから、誓う」
こうして私の添い寝が決定した。
食事も済み、今日は持ってきた夜着に借りている部屋で着替えたあと、劉伶さまの部屋に向かう。
扉の前に立ったはいいが、緊張で声をかけることができなくなった。
彼を助けたい一心だったけれど、夫婦でもないのに……。と躊躇していると「麗華、入っておいで」と中から声がする。
気づかれていたの?