皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
「さぁ、こっちへ」
彼に促されて目を点にする。
寝台がふたつ寄り添うように並べられていたからだ。
うなされたときだけ近寄って手を握るつもりだったが、真横で眠るの?
「どうかした?」
「劉伶さま、これは……」
「あぁ、隣ならわざわざ起きてくる必要がないと思ってね。それとも、ひとつの寝台で寝る?」
なにを言っているのだろう。
「とんでもない!」
「なんだ。麗華がいいなら、博文に内緒でそうしようかと思ったのに」
どこまで本気なのか、彼は沈着の表情で言葉を紡ぐ。
言葉を失くして何度も首を横に振ると、彼はクスッと笑みをこぼした。
少し強引に手を引かれて寝台に横たわると、劉伶さまはすこぶる満足そうに私を見つめる。
こんなに間近で息をされると緊張する。
といっても、息をしないわけにはいかないし。
「はい」
それから彼は私に手を差し出した。
手をつないだまま眠るの?
「あとで……」
「夢見が悪いのは結構つらいんだ。ね?」