皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
甘えるような声色で懇願されては断れない。
思いきって手を出すと、優しく包み込むように握られた。
「おやすみ、麗華」
「おやすみなさい」
挨拶を交わしたあと、劉伶さまはすぐに目を閉じた。
窓から差し込む月明かりが、彼の端正な顔を淡く照らす。
長いまつげに凛々しい一字眉。
うめきを漏らす唇の色素は薄めだが形は整っている。
まさかこれほど美麗な男性と一緒に眠りにつくなんて思ってもいなかった。
けれども、やはり安眠は大切だ。
私は彼の手の力が緩んだのを確認してから目を閉じた。
なんとその夜は、一度もうめきを漏らすことなくぐっすりと眠った。
「はっ」
明るくなっていることに気がつき目を覚ます。
すると、手を握ったままの劉伶さまがまじまじと私の顔を見つめているので仰け反ると、寝台から落ちそうになり支えられた。
「危ないよ、麗華」
「だって」
「ありがとう。あれから朝まで起きずに眠れたのは初めてだ」