皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~
あれからって、毒を盛られてから?
夜着の乱れを整えて寝台の上に座ると、彼もまた座った。
顎周りがすっきりしているような。
余計な水分が抜けてきているのかも。
「それは、よかったです。失礼します」
見られているのがいたたまれずすさまじい勢いで部屋を飛び出すと、彼の笑声が廊下まで聞こえてきた。
それから三人と私との奇妙な同居生活は半年続いた。
劉伶さまは薬膳料理が効いてきたのか夜中に苦しむことが減ってきて、もう手を握っていなくても朝まで起きないということもある。
けれども、添い寝をやめられない。
というのも、まったくうなされないわけではなく、その度に手を握ることを続けているからだ。
――というのは多分言い訳で、他愛もない話をして過ごす彼との時間が楽しくて、離れがたくなったと言ったほうが正しい。
もちろん、そんなことを口に出しては言えないけれど。