お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
十八時ちょうどになり、スタジアムのライトが落ちる。と、同時に流れてくる優美な旋律。

天井から水がカーテンのように流れ落ち、色とりどりの照明が当てられて、神秘的な色合いを映し出す。

「わぁ、綺麗!」

「プロジェクションマッピングを使っているんだ。季節に合わせてテーマを変えている」

水面に映し出されたのは、螺旋を描くようにして舞散る紅い木の葉――もみじだ。

「素敵……もみじの滝みたい……」

「ここなら、のんびりもみじ狩りできるでしょ?」

柊一朗さんが隣でふんわりと微笑む。結局、彼は、もみじ狩りまで貸切にしちゃったわけだ。

「さて。ここからが本番」

彼の言葉に合わせるように、三匹のイルカがジャンプした。ざぁんという派手な水しぶきが上がり、私たちの座る席ギリギリまで飛んでくる。

アクロバティックな音と光に合わせて、イルカたちがクルクルと宙を舞い、パフォーマンスを魅せてくれる。
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