お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「お前って、本当に鈍感だよな」

「へ!?」

突然の鈍感呼ばわり。なんで? なにがいけなかったの?

やっぱり、二十七歳は二十代中盤じゃなくて後半だった? サバ読んでるみたいに思われちゃったかな……。

「……二十代後半の方がよかったでしょうか……?」

「いや……そういうことじゃなくて」

嘆かわしく顔を背けると、ふう、と深く深く息をつく。あれ、私、なにか呆れられるようなこと言った?

そのとき、急に雉名さんが手元の段ボールを私へ押しつけてきた。

「へ? 雉名さ――」

段ボールは持てる程度の重量ではあるのだけれど、私の場合、抱えてしまうと大きすぎて視界が遮られる。

「き、雉名さん! 前が見えない……!」

足元をふらふらさせていると、彼はすぐ横にあった会議室のドアを開け放ち、段ボールごと私を招き入れた。

誰もいない会議室に押し込まれ、彼がうしろ手にドアを閉める。

会議卓の上に段ボールを置くと、なぜか彼は自由になった私の両手を掴みとり、体を壁へと押しつけた。

「っひゃああっ」

驚いた私は目をつむる。ドン、と大袈裟な音がして――たぶん、彼が壁に手をついた音だ。私が激しくぶつかったわけではない――壁に押しつけられた衝撃で一瞬眩暈がした。

恐る恐る目を開けてみると、彼はすぐ目の前にいて、不機嫌に私を見下ろしていた。
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