お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「なにが聞きたいんだよ。俺の好みを探って来いとでも言われたのか?」

やば、気づかれてた。思いのほか鋭い雉名さんに、私は首を傾げ笑ってごまかそうとする。

それにしてもどうして壁ドンなのだろう? 尋問のため? 距離が近すぎて、落ち着かないのだけれど。

「あの……気分を害してしまったんでしたら謝ります……なので、放してもらえませんか?」

「そいつに言っておけ。あんたには興味ないって」

「えっ……」

キッパリと言い切られて困惑する。相手が誰であろうと、脈ナシってこと?

「……もしかして、心に決めた誰かがいらっしゃるんですか?」

「それをあんたが聞くのか?」

いうなり、ぐっと私へ顔を近づけて口づけの真似事をした。

「――っ!?」

危うく唇が触れてしまいそうになり、すんでのところで彼の胸に手を突っ張った。

「な……なんでっこんな――」

「あんたが鈍いからだろ」

ギッと強い眼差しで射抜かれて、足が竦む。鈍い? 私が?

愕然とする私の顎を、彼は指でくいっと押し上げ、挑発的に睨む。

「狙った女以外、興味ない」

「そ……れは……」
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