お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
「出てすぐのところにあるカフェ。ハニーラテがすごくおいしい。それを飲んで、二十分だけ待っていて。仕事を片付けてすぐ迎えに行くから」

彼は唇に人差し指を当てて、ニッと不敵に微笑んだ。

「えっ……あの……」

「約束。覚えてる?」

甘い声でささやかれ、ドキンと胸が鳴る。

約束って、もしかして……。

なんと答えたらいいか、パクパクとする私を楽しそうに一瞥して、彼は再び小走りでビルの中へと戻っていった。

彼がエレベーターへ駆け込む姿を、呆然と見送ったあと。

途端に力が抜けて、背後のチェアにペタンと座り込んでしまった。

約束、覚えててくれたんだ……。

ふと視線を外に移せば、確かにビルの正面にはカフェがあって、おいしそうなラテの広告が掲げられている。

手元にはコーヒーの絵が描かれたカード――それを見つめながら、唇をかみしめる。
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