お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
さすがにそれはないだろう。知っていたら、私と寝ようなんて思うはずがない。

だって、私は、『あの事件』の首謀者なのだから。

日千興産の幹部であれば、誰もが私のことを憎んでいるはず。

彼だって、この事実を知れば、私を嫌いになる……。

ズキッと胸が痛み、息苦しさに襲われた。きっと嫌われる。私は、彼の隣にいていいような女じゃない。彼には……相応しくない。

気がつけば、慌てて名刺入れを元の位置に戻していた。

何事もなかったかのようにビジネスバッグのチャックを閉めて、免許証の入ったカードケースをスーツのジャケットに戻す。

寝室にあったクローゼットにジャケットをかけ、大きく深呼吸しながらリビングへと戻った、そのとき。

「そんなところでなにしてるの?」

首からタオルをかけ、シャツとスエット姿になった彼がリビングへと戻って来た。

濡れた髪を艶っぽくかき上げながら、蠱惑的な瞳を携えて私のもとへやってくる。
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