お見合い求婚~次期社長の抑えきれない独占愛~
その日の夜。酔っ払って帰宅した父は、未だかつてないテンションで意気揚々とリビングに飛び込んできた。
「澪! 喜べ! いい話だ」
「パス。どうせお見合いでしょう?」
「それが、ものすごくいいお家柄の男性で――」
「家柄とか、私、興味ないから」
「噂によると、見た目も格好よくて、年収も何千万らしい」
「そんな都合のいい話あるわけないじゃない。お父さん、酔っ払いすぎ」
「本当だ! 見ろ! ちゃんとお相手の条件も聞いてきたんだぞ?」
父が手に持っているのは、お見合い写真や身上書なんかじゃなく、ただの紙っぺらのメモ書きだ。そこに鉛筆でお相手の条件が殴り書きされている。
……それ、本気なの? 怪しすぎるじゃない。
「……それで、今度は誰なの?」
「お父さんの会社の係長のご友人の兄の息子なんだがな」
「え? え? なに?」
「だから、お父さんの会社の係長の兄の息子のご友人が」
「えぇえ……?」
言ってることが滅茶苦茶で、さっぱりわからない。やっぱり、飲みの席で適当に盛り上がっただけで、真剣なお見合いの話なんかじゃないんじゃ……。
「澪! 喜べ! いい話だ」
「パス。どうせお見合いでしょう?」
「それが、ものすごくいいお家柄の男性で――」
「家柄とか、私、興味ないから」
「噂によると、見た目も格好よくて、年収も何千万らしい」
「そんな都合のいい話あるわけないじゃない。お父さん、酔っ払いすぎ」
「本当だ! 見ろ! ちゃんとお相手の条件も聞いてきたんだぞ?」
父が手に持っているのは、お見合い写真や身上書なんかじゃなく、ただの紙っぺらのメモ書きだ。そこに鉛筆でお相手の条件が殴り書きされている。
……それ、本気なの? 怪しすぎるじゃない。
「……それで、今度は誰なの?」
「お父さんの会社の係長のご友人の兄の息子なんだがな」
「え? え? なに?」
「だから、お父さんの会社の係長の兄の息子のご友人が」
「えぇえ……?」
言ってることが滅茶苦茶で、さっぱりわからない。やっぱり、飲みの席で適当に盛り上がっただけで、真剣なお見合いの話なんかじゃないんじゃ……。