魔法学校 l
「夏休みだから誰もいないや!」
さて、今日も唱えよっと!
「ワガナハヤヨイ、サガシモノアラワレ」
ぴかーっと本が2冊現れた
ソファーに座り、本の題名に目を通す
【祝福と】
なんだろ?
祝福?笑
絵本だ!!
読んでみよー笑
ーーーー
今となっては昔のことだ
真実は雲に隠れるよう
誰にもわからぬことだが
昔
神は
1人の魔法使いに恋してしまった
魔法使いは誰にも負けない美貌と魔力を持ち合わせていた
その頃の彼女の世界では戦争が相次いでいた
神は彼女に祝福を授けた
その祝福に護られながら、彼女たちはその地を治めることができた
そして、
彼女はその国の王女となった
神と人の子の恋が叶うはずもなく
彼女は戦争に巻き込まれ人々を守りながら力を使い切り亡くなってしまった
神は
悲しみ
憎んだ
彼女の最後の言葉を神は忘れなかった
忘れるはずがない
これからもずっと
『私はそれでも魔法が愛しいのです。
人の子が愛しいのです。
どうか、人々が私を忘れてしまっても、
あなただけは私を忘れないでいて……』
ああ、もちろんだとも
神は泣いた
彼女の生まれ変わりがいつか現れることを願って
神は人々を見守っている
彼女が愛しいと言った人々を
神は願う
彼女にもう一度逢えるように、と
これは
悲しい神の物語