迷惑なんて思ってないよ
「なら・・・俺のそばにいてくれる・・・?」

「もちろん」

「じゃあ離してあげる。伊野先輩は俺が見てるから皆の所に行ってきても良いよ」

晴人の言葉に甘えて津田さんたちのいる居間に移る事にした。眠る凛太郎くんを見ていると、このまま時が止まってしまえば良いのにと願ってしまいそうだから。眠っていてバレないだろうと唇を重ねてしまいそうだったから。
そばにいてくれると訊いてきた晴人の本当の気持ちは分からなかったけれど、離れてほしくないと怖がっている事は確かだった。だから、私ももちろんと言ったけれどどういう意味で訊いてきたんだろう。
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