迷惑なんて思ってないよ
何か、少しだけ怖い。彼の勢いと力の強さが私を怖がらせていた。でも、離してくれる事はなくて寧ろより近くなって。いつの間にか私は彼に抱き締められていた。

「いやぁ!会えて良かったっ!ずっとどんな子なのか知りたかったんだぁ!」

「あっ、あのっ!私っ!凛太郎くんとはお友達でお付き合いしている訳では!」

「あれ?そうなの?まぁいっか。取り敢えず会えて嬉しいよ!」

細い体でよくここまで強い力が出るなとも思ったけれど、本当の事を話すと力を緩めて距離を取ってくれた。良かった、解放された。そう思ったのも束の間。友達であったとしても会いたかった事に変わりはないと抱き上げて何周も回っていた。
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