天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
「あら、いらっしゃい。山田さんが連絡したのね」
部屋に入った泰介を見るなり、お母様が渋い顔になった。

「母さん。どうしたの?大丈夫なの?」
泰介さんも堅い表情。

「大丈夫よ。ちょっと立ちくらみがして、転んだ拍子に足をくじいたのよ」
「立ちくらみって・・・」

「それより、こちらは?」
泰介さんの後ろに立っていた私に視線が向いた。

「ああ。こちら、高杉爽子さん。今おつきあいしている人だ」
泰介さんに紹介され、私も一歩前へ出た。

「初めまして高杉爽子です」

「初めまして、泰介の母です」
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