天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
「どうしたの?」
そんなに怒らせることを俺はしたか?

「今日は私がごちそうするつもりだったのに」
今にも泣きそうな顔で、唇をとがらせる。

あー、俺が勝手に支払ったのが気に入らないのか。

「いいじゃない。そんなに気にすること?」
ご馳走して怒られたのは初めてだ。

「だって、」
「だって、何?」
子供のように頬を膨らませる爽子さんに、つい妹にするような態度になった。

「クスン」

えええ、ここで泣くのかよ。
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