天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
「この前は、私の買い物につきあわせるような格好になって。その上全部払っていただいて。せめて今日は私がご馳走したかったのに・・・」
今にもこぼれそうな涙を必死にこらえている。

通行人もチラチラと俺たちに視線を向ける。
かなり、目立っているぞ。

「もういいから、行こう」
周囲の視線に耐えかねて、爽子さんに手を伸ばす。

しかし、
パンッ。
払いのけられた。

「・・・」
今度は俺が睨み付ける番。

きっと酒のせいだと思う。
普段の俺はもっと冷静で、女性にキレたりはしない。
今日はどうかしてる。
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