天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
美味しい料理を食べ、たくさん話をした。
私はパパやママの話をして、泰介さんは仕事の話をしてくれた。

やりたい仕事や将来の夢を語る泰介さんは、どこかパパに似ている。

「仕事が好きなんですね」
「まあね。好きでやっていることだし。支えてくれる人のお陰でできている仕事だから、感謝している。その分頑張らないとね」
そう話す泰介さんは幸せそうだった。


その後、2人で街を歩いた。

たまたま入った本屋さんで物色していると、偶然手にした本の作者が同じで驚いた。

少し買い物をするという泰介さんにつきあってコンビニに立ち寄り、朝食用にと選んだパンの好みも同じだった。

「私たち、似てないようで似ているのかもしれませんね」
「そうかもしれないね」


帰り際、

「また、食事に行こう」
「はい」
「他に行きたいところがあれば言って。毎週は無理だけれど、時間があればつきあうから」
「はい」

もしかして、パパやおじさまに言われて仕方なくつきあっているのかもしれないけれど、今はそれでもいい。
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