ヴァンパイア†KISS
「カルロ……済まない。結局、お前をヴァンパイアにしてしまったな……」

ウルフガングが自嘲気味に笑うのを見届けると。

カルロはウルフガングの腕から離れ、片膝をついて座り込んでいる彼に手を差し伸べた。





「ウルフ様。私は今夜、あなたの血に忠誠を誓いましょう。そうして、エマ様を愛するあなたの美と強さに、私の微笑みを差し上げましょう。……永遠に…!」



そして、


ウルフガングの心臓の血の滴る唇の端を上げると。



彼は、気高い微笑みを――――主へ捧げた。










その心臓のキズが、ウルフガングにこの後どういう影響を与えるのか。


まだ生まれたばかりのヴァンパイアは、知る由もなく…………。





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