ヴァンパイア†KISS
「…………」

でもそれからいっこうにデュオの動く気配がなく、不思議に思い瞳を開けた。

「デュオ…?」

瞳を開けたわたしの前に、わたしの顔をじっと見つめるバイオレットの瞳があった。

「……やめた」

「え?」

「キスの刻印でお前を縛っても、意味がない」

「デュオ……?」

「来い!」

デュオは強引にわたしの手を引っ張ると、パーティー会場へと足早に歩いていく。

「デュ、デュオ!どうする気?」

「私ならもっと、お前を軽やかに躍らせられる」

デュオは言いながらどんどんとわたしの手を引きパーティー会場の中へと入って行く。

決して振り返らずに。

デュオ、今、いったいどんな顔しているの?

これは、ヤキモチだって思っていいのかな……?

手を繋ぎながら会場の中央へと躍り出ていくわたしたちを見た来賓たちの間に、どよめきが起こるのを聞きながら、わたしはほんの少しだけ快感を味わっていた。

ごめんね、かずちゃん。

もう少し、あとほんの少しだけ。

このキスの刻印が消えるまでは、デュオを好きでいさせて………。




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