ヴァンパイア†KISS
刻印が消えた……。

わたしは下からわたしを見上げるデュオのバイオレットの瞳をじっと見つめていた。

わたしのデュオへの想いは消えてしまったの……?

わたしは自分の気持ちを確かめるように彼の瞳を見つめる。

「……ふ」

と、わたしは泣き声を漏らすとともに、瞳から涙をデュオの頬へと落としていた。

「…これは、なんの涙、だ?」

瞳を細めてわたしを見つめるデュオに、

「別れの涙よ」

さよならの言葉をつぶやいた。

デュオ………!!

やっぱりわたしは、あなたのバイオレットの瞳の奥にある………

そのミステリアスな心が、好きだ―――!!!


「花恋…?」

不安げにわたしに近づいてくるかずちゃんの姿が見えた瞬間。

「失礼。彼女は具合が悪いようなので」

デュオはそう言うと、わたしをその胸に近づけお姫様抱っこをした。

「デュオ…!」

デュオはわたしを抱き上げたまま外へと突き進んで行く。

ざわめく会場を気にも留めず、突き進んで行く彼の後ろで、

「お兄様……!」

というルシアの叫び声が聞こえたけど。

デュオはそのまま構わず廊下を突き進むと、突き当りのエレベーターに飛び乗りこのホテルの最上階の35階のボタンを押した。

「デュオ…?」

デュオはわたしを抱き上げたままじっとわたしをそのバイオレットの瞳で見つめる。




< 214 / 411 >

この作品をシェア

pagetop