ヴァンパイア†KISS
オズワルドはデュオに刺した剣を抜くと、落ちてきたデュオの剣を受け止め、跪くウルフを一瞥した。

オズワルドの前でデュオがうつ伏せに倒れる。

わたしを制止しようとする理事長に構わず彼の名を呼び続ける。

デュオ、嫌だ、死なないで!!

オズワルドは10メートルほど先で首を垂れるエマを見ると、ニヤリと笑みを零した。

「ウルフ!!お前が最愛の者を目の前で失う時が、私にとって至福の瞬間だ!!」

オズワルドは受け取ったデュオの剣を振り上げると、その剣にバイオレットのオーラを放った。

「…ぐぅ……ぉおおおおおお!!」

天をも貫くような雄たけびをあげながら、剣を投げ飛ばす。

その剣は弾丸のように鋭い弾道を描きながら、十字架へと向かって突き進む。

それは、ものすごい威力だった。

100年の因縁をその剣に全て込めたような破壊的な威力。

わかる………。

その剣が、エマの心臓を狙っていることが。

そのことは、ウルフの強張った表情が明らかに示していた。

「…やめろ……オズワルド――――!!!!」

ウルフの叫びが空しく夜空にこだまする。

その瞬間、シエルが剣とエマの間に飛び出そうとウルフの横を駆け抜ける。

だがウルフは渾身の力を込めるように、息子を突き飛ばした。


< 338 / 411 >

この作品をシェア

pagetop